食品加工用機械のうち,粉砕機及び混合機に関する企業側の安全対策について解説します。
粉砕機とは,「製粉機」とも呼ばれ,高速回転する粉砕刃で原料を粉砕し、粉にする機械です。
混合機とは、複数の材料をムラなく均一分布になるように混ぜ合わせる機械です。
粉砕機や混合器は機械内部に動力部分があるため、その動力部分と身体が接触することで労災事故が起こることが比較的多いです。
また、粉砕機や混合器の労災事故の場合、粉砕刃などの動力部分は非常に強い力を有していますので、身体の一部の欠損などの重篤な結果が生じやすいです。
このような粉砕機や混合機の動力部分との接触を防止するための安全対策として,労働安全衛生規則第130条の5第2項で「可動部分に接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある時は、蓋、囲い等を設けなければならない」と規定されています。
つまり、労働者が触れるおそれのあるような部分については蓋などでガードをすることが事業者には義務付けられているのです。
したがって、粉砕機や混合機に関する労災事故が起こった場合、事故が起きた機械の動力部分を労働者が触れることができる状態にあったのかを事故原因とともに検証すべきです。
そして、もし、そのような状態であった場合、事業主は安全配慮義務違反として損害賠償責任を負うことになると思います。