1 事故による不安
仕事中に事故に遭われた方の中には、「治療費を支払うだけの余力がない」「仕事に行けず生活費が足りない」「体が思う様に動かないので今後仕事に復帰できない」という悩みを抱えておられる方が多くいらっしゃいます。
しかし、仕事中の事故であれば、労災申請をすることにより様々な補償を受けることができます。
2 労災保険による補償
① 治療費等
診察代や入院費など病院に支払うことになる費用について、補償があります。
労災認定を受けた場合、国から病院に直接費用が支払われますので、治療費を立替る必要はありません。
② 給料の補償
事故によって体に不調が出たため出勤できない場合には、労災保険によって補償がなされます。
給料の全額が補償されるわけではありませんが、8割程度補償されることになります。
③ 将来の不安に対する補償
病院に通っても身体の不調が改善しない場合には、後遺障害の認定という手続があります。
後遺障害が残っていると認定された場合には、数十万から数百万の補償がされることになります。
④ その他
他にも事案によって、介護費用や遺族に対する補償、葬儀費用等様々な補償を受けることができます。
3 慰謝料は支払われないのか
労災保険においては、慰謝料が給付されることはありません。
しかし、遭われた労災事故について、会社にも責任がある場合には、会社に対して慰謝料の支払いを請求することができます。
また、労災保険では補償されなかった給料の4割部分を請求することもできます。